セレナからデイズルークス 自作の車中泊ベッドで水平に寝る
セレナからデイズルークス
自作の車中泊ベッドで水平に寝る。
あなたはキャンプ場で、きちんと寝れるような熟睡できるような場所選びに困っていませんか。
キャンプではいかに寝れるかが満足度に関わってきます。
なるべく静かな所で、傾斜がなく、地面がゴツゴツしていない場所。
いつも通りに寝たい。そう思いませんか。
しかし整地されているキャンプ場とはいえ、凸凹も傾斜も多少なりともあります。
テント泊もいいですが、車中泊はどうでしょう。
この自作の車中泊ベッドは、撮影のため15cmの縁石に乗り上げて設置しました。
ベッドは鋼製束により、水平になっています。
スパナやドライバーなどの工具は使わず、1万円程度の費用で自作可能です。
キャンプをするにあたって
ウチの子供達も小学校6年生と3年生になり家族でキャンプをしたいと思っていましたが、テントを買うのを躊躇していました。それは「誰が設営するか問題」
テントを設営して撤収して、帰ってから陰干しして、畳み直して…。
妻・娘・娘に手伝わせるのは無理があると思いました。
「誰が」は男手で父である私ですね。
躊躇しますよ。設営して撤収して整備して格納まで、全部自分ひとりでの仕事になるのですから。
そんなときカーネルという車中泊専門誌を見て、車中泊ならキャンプ後のテントの作業はないと思いました。当時の車はニッサンセレナ。長さも高さもそれなりにあるので自作を検討します。
現在は軽のデイズルークスに代わりました。
セレナ当時の車中泊の写真もキットも残っていないため、軽のデイズルークスで提案していきます。
自作するにあたり車種に限らず対応可能なこと、水平をとれることを重視しました。
キャンプ泊の種類
キャンプと言えばテント泊。テントがあればどこにでも宿泊可能ですね。
ファミリーキャンプならバンガローやコテージ泊が良いです。天気に左右されませんから。
旅行をしながらであれば車中泊がいいです。テントの設営撤収の手間がなく楽になります。
内側から内側の車幅
ニッサンセレナの室内で一番狭い所は120cm。セミダブルの布団のサイズです。
妻と小学6年生3年生では少し狭いけれど、まぁ許容範囲です。
私は運転席助手席で縮こまって寝ると仮定して車中泊の方法を模索しました。
フルフラット
シートをフルフラットにしてみると床から座面、床からヘッドレスト部の高さが違うことに気づきます。倒した背もたれの高さが次のシートの座面の高さになるので、後部に行くに従って前の席との高さに差異が生じるのです。
これを地面から見ると運転席より後部座席が高い位置になります。
シートとしてはフラット状態とは言えますが、水平ではないですね。
駐車場の水勾配
駐車場は水勾配がきつかったり、坂になっている場合もあります。
そんな駐車場でも鋼製束は水平を出してくれる頼もしさです。
写真は15cmの縁石に乗り上げ高低差を出しています。
車中泊の方法
フルフラットにしたシートの隙間をクッションで埋める方法とベッドを備え付ける方法に大別されます。
検討:クッションで埋める
簡単なのはクッションで隙間を埋める方法。
クッションの高さや硬さが均一にならないように思えて、実際に試しはしませんでした。
ただ、一時的な仮眠や即席には手軽で有効かと思います。
検討:ベッド
車の中にベッドを入れる方法。
ベッドなので普通に寝れるのが想像できます。
パイプを組んだフレームに天板を載せる構造がyoutubeにありました。
ベッド方式で考えてみます。
ベッドの構造
自宅のシングルベッドは、長さ200cm、幅100cm。4隅と中央に脚があります。
ミニバン車だとセカンドシートの足元、サードシートの足元とバックドア付近が脚になります。
脚の位置は赤丸で表示しています。
材料
ホームセンターで材料の候補をみます。
金属パイプ
必要なパイプ数やジョイント部、切断するためのパイプカッターを揃えると結構な値段になるのと、金属の加工が難しいと感じました。
木材
加工しやすく価格が安いのはメリットですが、節や反りがあり個体差があるのはデメリットかもしれません。
こうせい つか(鋼製束)
高さを調整するためのモノで、鉄製のアジャスターの中央の持ち手を回すとネジの作用で高さが変わります。
呼び方
建築用語では束(つか)と束(つか)をつなぐのを「大引き」と言い、大引きにクロスするのを「根太(ねだ)」と呼びます。
ベッドの構想
スノコを2枚並べるイメージです。
車内の曲線部の加工が難しいので、根太を互い違いに敷き並べる構想を思いつきました。
ネジ等で固定はしません。ただ敷き並べるだけにします。
このスノコ部分が根太になります。
木材の選定
流通量の多いツーバイフォー材は表面が綺麗で手の出しやすい価格でありますが、今回の構想上において幅89mmはスキマも89mmになるのでマットが沈む可能性があり候補から外します。
値段と表面処理を勘案すると下記2つになりました。
- 第1候補:桟木(表面は荒いがガムテープ等を貼れば問題ない)
- 第2候補:内装用の小垂木
使用材料
- 鋼製束:6本
- 大引き:3本(設置場所に合わせたサイズ)
- 根太:必要本数(室内幅の最小値÷使用木材の幅)
例1:室内最小幅120cm、木材幅5cmの場合は24本必要
例2:室内最小幅110cm、木材幅5cmの場合は22本必要 - C型クランプ:6個(百均で購入可能)
- 水準器:1個(百均で購入可能)
- 敷板:6枚(適宜)(鋼製束の接地面積を大きくして荷重を分散させる役割)
- ノコギリ:1本(百均で購入可能)
材料費試算
価格調査年月/場所:2022年8月/DCMホーマック
品 名 |
厚さ | 幅 | 長さ | 税込み価格 | 表面仕上げ |
桟木 12尺 | 27 | 50 | 3650 | ¥470- | 荒 |
小垂木 内装用12尺 | 30 | 45 | 3650 | ¥1298- | 良 |
品 名 | 伸縮長 | 税込み価格 |
鋼製束 | 135 – 200 | ¥404- |
190 – 270 | ¥415- | |
310 – 450 | ¥448- | |
370 – 540 | ¥492- | |
460 – 620 | ¥547- |
根太は24本~26本程度が必要なため3650mmを1200mmにカットするのが安上がりです。
大引きは鋼製束の置き場所の車内幅に合わせて寸法を合わせます。
ホームセンターで有料カットを利用した方が時間を節約できます。
軽のデイズルークスで採寸
現在所有のデイズルークスで採寸します。
他の車種でも寸法に大差はないです。横幅は本数で、長さは重なり具合で調整します。
採寸
- 材料は桟木を選択
- スノコになる根太は車内幅110cmを桟木の幅5cmで割ると22本必要
- 鋼製束と鋼製束の大引きは運転席110cm、後部座席足元114cm、バックドア103cmで採寸
- 鋼製束は190~270を2本、370~540を4本使用
見積もり
- 桟木3650mm(¥470)を9本使用、470*9₌4230
- 鋼製束190-270(¥415)を2本使用、415*2₌830
- 鋼製束370-540(¥492)を4本使用、492*4=1968
- 諸費用は単純計算で計上(有料カット代千円、C型クランプ等千円)
- 合計9028円
設置手順
1、シートをフルフラット
2、鋼製束をC型クランプで固定し大引きを作成
3、起点は後部座席の背もたれ上部とします。
4、バックドアからサードシート足元間と、大引きの水平をとる。
5、サードシート足元からセカンドシート足元間と、大引きの水平をとる。
6、根太を交互に配置
7、揺れ防止策(背もたれを起こす、シートをずらして鋼製束を固定する。)
揺れ防止
- 背もたれを起こして根太と接触させる。
- シートと鋼製束を接触させる。
※重要ポイント=シートを起こす・移動して鋼製束に接触・圧迫させることで揺れを抑える。
大引き
鋼製束を大引きにするにはC型クランプを使います。セレナでは鋼製束の天板フラットを使い木ねじで固定していましたが、収納に難があったので今回デイズルークスでは天板がL型を採用、C型クランプで固定しました。これで木材と鋼製束が分割できるようになります。
私はどこに寝る?
さて妻と小学生2人が寝れるベッドはできました。
先送りしてきた私の寝る場所をどうするか問題。
運転席助手席間で縮こまって寝る、2段ベッドにする、バックドアにシートを張ってベッドを増設する、1人用のテントを張るなど考えました。
- 当初、助手席からセカンドシート間で無理やり2段ベッドを作りますが、フロントガラスを破損する危険性がありました。
- 次に、4人が寝れる2段ベッドを作成しましたが、ベッド高が40cmしかなく寝返りもうてません。
- 最後、これが決定打となり娘たちから「車中泊しない、キャンプ行かない。」と宣言され我が家の家族キャンプは無くなりました。
まとめ
ポイントは「鋼製束で水平」「シートを根太に接触させて揺れ防止」です。他の解説記事や動画では触れていない・気づいていない点です。
この車中泊セットはセレナから軽のデイズルークスに代わっても原理は同じです。
私は桟木の廃材を再利用しました。
サンドペーパーをかけて削りカスを水洗いして乾拭きして、それでも削りカスが出て…。
なかなかの重労働でした。
そこでガムテープやクラフトテープなどを貼って表面を処理する方法が良いです。
サンドペーパーや塗装よりも時間も手間もかからず安価にきれいに仕上げられます。
大引きと根太が接触して削りカスが発生します。
テープによる表面処理は大引きの3本でOKです。
水平であることは自宅のベッドと変わらなく寝れます。
キャンプ場ではテントで寝るのが大半ですので、駐車場は静かな場所となります。
カーサイトであればテント分を有効活用できますし、なによりテント使用後の湿気取りや畳み直しの作業がないのは非常に楽です。
車中泊セットが完成したならば試し寝をしてください。
マンション住まいとしても「マンション駐車場de車中泊」をしてみて、寝心地を確かめてみるのが良いです。当記事では換気と遮光に触れていませんので不備を感じるハズです。
質問があればお問い合わせからお願いいたします。一緒に考えていきましょう。
車中泊キャンプができることを祈ります。
当初作った運転席側2段ベッド
私がフロントガラスを割りそうだと冷や冷やした2段ベッドの作成イメージです。
赤の表示は12mmの全ねじボルトを使用しますので高さ調整ができます。
後部座席の人は助手席側スライドドアからの出入りになります。
ワンボックスカーなら作成可能です。フロントガラスまでいかないで、運転席の座面からセカンドシートの背もたれ間なら検討の余地はあります。蛇足でした。
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