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すすき牧場は農業と畜産と食品副産物を循環して健康な牛を育てる。

すすき牧場は農業と畜産と食品副産物を循環して健康な牛を育てる。

あなたはお肉を買うとき値段もですが、産地を確認しませんか。
国産と外国産があり、国産もいろいろありますね。その中に「むなかた牛」はなかったでしょうか。

 

当記事はすすき牧場の広告ですが、牛肉について調べていくと農業と畜産、食品副産物、アニマルウェルフェアという言葉が出てきました。
調べていて気が付いたことはHPをもっている農家さんは差別化できていたり独自ブランドを持っているのが多いです。すすき牧場も独自ブランド「むなかた牛」があり地域貢献に力をいれています。

 

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記事後半に「アニマルウェルフェア」にふれます。家畜がそんな飼育方法をされているとは思いもしなく衝撃的でした。
お肉という商品ではなく、動物の生き方を考えてみましょう。

粗飼料

反芻動物の牛の主食は草です。この牧草や稲藁を粗飼料と言います。
すすき牧場は農家さんに飼料米を栽培してもらい、刈り取った稲はロール状にしてラップ保存。
ラップの中では稲についた菌が自然発酵していきます。これをサイレージと言い「大豆を煮て藁でくるむと納豆」と同じ原理になります。
乾いた牧草もよいですが、乳酸発酵で湿り気のあるサイレージが牛たちの食いつきが良いようです。

 

農畜循環

月齢差や採食量により一概に言えませんが肉用牛1頭の1日における糞と尿の量は約24kg程度と言われています。
床に敷く敷料も加わると牧場ひとつの排出量は、1日分を例としても相当な量になると想像できます。この排泄物と敷料を発酵させて堆肥(肥料)を作ります。

 

飼料米を食べて牛たちが排泄。排泄物は堆肥となり田畑にすき込まれて飼料米は大地へと還っていきます。大地は良い栄養を得て作物を育てます。農業と畜産の循環です。

 

食品副産物

食品の製造時には野菜の皮や切れ端、お酒や豆腐などの搾りかすなどが食品副産物として発生します。
産業廃棄物として処理しますのでコストがかかってきます。この副産物、人間は食することができなくても家畜が食することで、廃棄物は利用価値が生まれ資源へと変わります。

 

食品製造側は廃棄コストの圧縮、畜産側は出所のはっきりした飼料の調達ができwin-winな関係になります。

 

濃厚飼料

肉質をよくする栄養として穀物などを与えます。これを濃厚飼料と言います。
すすき牧場はおからや酒粕、ミカンの搾りかすなどの食品副産物を地元の食品製造元から調達しています。使用食品の把握ができるので安心して牛に給餌できます。

 

地元の食品副産物を牛が食し、その牛肉は地元でも消費される。ひとつの循環になります。

 

輸入頼りの飼料

粗飼料は2割程度、濃厚飼料は8割強を輸入に頼っているのが現状になります。
昨今の価格高騰は飼料も例外ではなく、経営に苦しんでいる畜産農家さんは少なくありません。

 

すすき牧場は早い時期から粗飼料を稲作農家さんに、濃厚飼料を地元食品製造元から調達して飼料の国産化率は50%になります。
少ない数字にみえますが輸入に頼っている畜産の現状では、飼料国産化率50%を達成するのは実はなかなか難しいのです。
詳しくは下記の記事にて掲載しています。

お米で育つむなかた牛 すすき牧場は未利用資源の活用で地域に貢献

動物衛生の国際機関

国際獣疫事務局は世界の動物衛生の向上を目的とする国際機関です。
略称はOIEでしたが「WOAH」に改められました。法令上はOIEを使用しますが、農林水産省は令和5年8月からWOAHと表記を変更しています。

 

アニマルウェルフェア

アニマルウェルフェアを直訳するとアニマル=動物、ウェルフェア=福祉となります。
定義は「動物が産まれて死ぬまでの心的・身体的取り扱い」
指標として「5つの自由」を定めています。

 

「5つの自由」

    • 飢え・渇き・栄養不良からの自由
    • 恐怖からの自由
    • 身体的及び環境のストレスからの自由
    • 苦痛、傷害及び疾病からの自由
    • 通常の行動様式を発現する自由

 

家畜の現状

アニマルウェルフェアが世界で提唱されている、日本でも提唱されてきている。
これは5つの自由を動物が家畜が得られていないことを示しています。
「~の自由」とは改善していかなければならない事項。現実は「~がある」になります。

 

5つの現実

  • 飢え・渇き・栄養不良がある。
  • 恐怖がある。
  • 身体的及び環境のストレスがある。
  • 苦痛、傷害及び疾病がある。
  • 通常の行動様式を発現できない。

 

ハラスメント

検索していくと以下のような飼育はあるようです。

  • 狭いスペースで、柵に頭を固定され、運動のできない飼育
  • 麻酔をしないで去勢や角の切除
  • 排泄物を処理しきれない不衛生状態
  • 霜降り肉にするためのビタミンA欠如

 

消費者側からみれば不適切に思えます。しかし飼育する側にはやむを得ない理由もあります。
消費者のために肉質の良い家畜を育て、たくさんの乳を搾り、たくさんの卵を産ませる。
お肉も牛乳も卵も出回らなくなったら、飼育費用に見合う価格になったら、消費者は困りますね。
消費者のためにしていることですが、家畜にとってはどうなのか考えてしまいます。

 

健康状態

不適切に思える飼育による家畜の健康状態を考えてみます。

  • 運動不足による歩行困難、栄養過多・栄養不足、ビタミンA欠如による失明
  • 麻酔無しの手術による激痛、患部の化膿・壊死
  • 搾乳に支障があるため尻尾を折られ、ハエなどを払うことのできないストレス
  • 暑さ対策がされないなど環境的ストレス

 

つまり身体的・心的・環境的ストレスは病気をまねき身体成長の抑制になり、結果的に肉質等級を下げてしまいかねません。

意識改革

そこでアニマルウェルフェアという考え方。
動物の医療・食事・住環境の改善と言うとわかりやすいかもしれません。さらに動物本来の行動がとれることも大切であり、運動不足は様々な病気をまねいてしまいます。

 

  • 医療は、麻酔をして手術をすること。術後は化膿をさせない処置をすること。
  • 食事は、その動物本来の採食をさせること。反芻動物たる牛は自分の舌で草を巻き取ることが自然。そして過剰な栄養を与えて胃などに消化不良などの負荷による病気を起こさせないこと。
  • 住環境は、運動不足にならない動ける空間を保持すること。適切な空調をすること。糞尿が堆積しない衛生的な住環境を提供すること。
  • 動物本来の行動は、牛は群れで行動し社会を形成するので孤立させないこと。
  • 運動不足は、様々な病気を引き起こす。運動をさせ健康な体を維持すること。

 

人間に例えると

人間に例えてみましょう。
例えば歯の治療に行きます。歯は骨なので削っても痛くはありませんが中心部や周辺には神経は通っています。
骨と同じだからと麻酔無しで治療されたらどうでしょう。あなたは平気ですか?

 

もし、あなたの住居がトイレ付、1畳のワンルーム、食事付きだとしたら。
食事は毎食豪勢で運動はしなくていい。寝て食べて寝る毎日。
お腹はパンパン、運動をしないので足腰は弱ってくる。消化器官の弱りや血管の病気などを引き起こしかねません。運動をしたい欲求に駆られるでしょう。生活習慣病といわれます。しかもトイレの水が出たり出なかったりしたら…。不衛生で不快ですね。

 

意識改革

そんな状況に動物たち家畜は置かれています。
改善するにはアニマルウェルフェア「動物の医食住及び環境の改善」の意識改革が必要なのです。
環境が改善されれば、心身のストレスが緩和されれば、生きるのに不安がなくなればリラックスしていきますね。病気が少なくなり健康な肉体を作れます。私たちも同じですよね
つまり、動物、家畜も人間と同等に同様に扱いなさい!ということです。

 

まとめ

すすき牧場同様に各牧場でも試行錯誤しながら牛を育てています。全国の牧場が不適切な飼育でないのが救いです。
すすき牧場の薄一郎氏はBSE(牛海綿状脳症)が世界的に発生して考えるようになったそうです。

 

「将来ある子供たちに牛飼いの私は安全な牛肉を提供できているのだろうか。人間が食べて安全な肉は、健康な牛の肉体から得られるのは牛飼いの肌感覚でわかる。そして健康な肉体とは良質な食事から作られ、良質な食事は地元に根差したものを使用したい。」
その想いは地域の未利用資源を掘り起こし地域に貢献ができ、牛たちの健康に良い影響が出ました。結果的によい肉質に仕上がって高評価を得ることとなります。

 

また健康的な飼育環境を作ることはアニマルウェルフェアに寄与していくこととなります。
その志は各地の牧場にもあるとおり、畜産と農地と地域を結んでいきます。
薄一郎氏の未来ある子供たちに安全な牛肉を食べさせたいという想いは、間違ってはいなかったのです。

 

あなたが買うお肉は商品としての物質ではなく、その動物の命を頂くことに他なりません。
薄一郎氏やたくさんの畜産農家さんが手塩にかけた命であり、家畜達が懸命に生きた証です。

家畜さんの命は、血となり肉となり私たちの体に生きています。
食事のときの挨拶、いただきます。
感謝の言葉としましょう。命を「いただきます。」

 

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