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生理痛などで高校生が使える超低用量ピルのススメ。デメリットも解説

あなたは学校を休むほど生理が重くはないだろうか。娘は生理になると学校を休んでいた。

調べていくと生理について諸症状があること、それが生活に学業に部活動に悪い影響があること。また彼氏がいれば避妊をしてくれない、性感染症をうつされる、妊娠し中絶せざるを得ないなど、女性の性にまつわるリスクの大きさを目の当たりにしている。

 

それを解決しえるのはピルの服用である。避妊を目的としない超低用量ピルならば健康保険が適用される。ライフステージによって避妊が目的になれば低用量ピルに変更も可能。デメリットもあるので後述する。

 

ピルを服用したレビューをするべきなのだが私にはできない。私は49歳のおじさんで、この記事は娘のように生理で苦しんでいる思春期女子に向けている。もっと早く超低用量ピルを知っていれば、娘に服用を勧めただろう。デメリットよりもメリットの方が大きいので、学校も休まずにすんだはずだ。

 

私には生理の体感が無いので公益社団法人日本産婦人科医会「№106思春期のケア」からの引用とオンライン診察をサービスとするスマルナの記事を参考としている。

引用元:公益社団法人日本産婦人科医会「№106思春期のケア」

 

高校生が使える超低用量ピル。デメリットも解説

高校生などの思春期は子供から大人への移行期間で、心も体もアンバランスになりながら変化している。そのアンバランスを整えるのに最適なのは超低用量ピル。デメリットもあるが思春期女子の強い味方に成り得るだろう。

 

生理とは

「妊娠に備えるため子宮内で厚くなった子宮内膜が剥がれ落ち、経血となって体外へ排出するプロセス。」(以降、生理を月経と表記する。)

症状と発生源

月経が始まってから起きる症状は、月経困難症。

始まる前からの不調は、月経前症候群と言う。

また。子宮内膜からプロスタグランジンという痛み物質が産生される。月経の初日から2日目頃に症状が強くなるのは、痛み物質の産生が経血量に比例して産生されるから。

つまり、子宮内膜が諸症状の発生源である。

 

月経に伴う諸症状

月経に伴う諸症状として、下腹部痛、腰痛、腹部膨満感、嘔気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、イライラ、下痢および憂うつがある。
総称として「月経困難症」といい、月経が始まると症状として現れる。

また月経前の3~10日間におきる精神的・身体的症状を月経前症候群(PMS:Premenstrual Syndrome)といい、月経開始とともに弱くなっていく。

 

月経困難症の影響と対処

月経困難症による体調不良や月経痛による学校などの欠席、集中力の低下から学業の不振など身体的・精神的症状の及ぼす影響は大きい。痛みなどの対処法は昔から「こういうもので、我慢するしかない」とされていて、鎮痛剤や漢方薬を服用するのが一般的。

参考:月経困難症 日本産婦人科医会

 

月経困難症を改善する薬「ピル」

卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という女性ホルモンが配合されている薬剤「ピル」。ホルモンの配合量により治療薬(超低用量ピル)、避妊薬(低用量ピル)、強い治療薬(中用量ピル)、妊娠を阻止したい薬(アフターピル)に分類される。

超低用量ピル(治療薬)

卵胞ホルモン(エストロゲン)の含有量が0.02mg以下を超低用量ピルという。
月経困難症や子宮内膜症の治療目的で使用されるLEP(Low dose Estrogen Progestin)に該当する。
子宮内膜症などの治療薬として開発されて、低用量ピルに比べると副作用が抑えられている。

避妊目的ではないため避妊効果に関する試験も処方もされていない。

治療薬としての処方のため健康保険が適応される。しかしオンライン診察の場合は自由診察あつかいになるため保険適用外になり注意が必要。

 

低用量ピル(避妊薬)

卵胞ホルモン(エストロゲン)の含有量が0.04mg以下を低用量ピルという。
主に避妊目的で使用され経口避妊薬やOC(Oral Contraceptives)と呼ばれている。
「1日1錠」を「決まった時間」に「正しく」服用すれば99.7%という高い避妊効果が期待できる。
副作用もあるが月経痛の軽減や月経周期の安定化、肌荒れやニキビの改善などの良い副作用もある。

詳しい解説は「あなたの身体を守る選択肢 低用量ピル 副作用と服用効果について」

 

中用量ピル(強い治療薬)

卵胞ホルモン(エストロゲン)の含有量が0.05mg以上を中用量ピルという。
月経不順や過多月経、月経困難症などの治療薬として使われ、月経日の移動にも使用される。

 

アフターピル(妊娠を阻止したい薬)

妊娠の可能性がある性交後72時間(3日)以内にアフターピルの服用で約84%の避妊効果が期待できる緊急用の避妊薬。
時間が経つにつれて避妊効果は確実に低下するので、いかに早く服用できるかが重要となる。

詳しい解説は、中に出された。避妊に失敗した。【アフターピルの入手方法と値段】

 

超低用量ピルの副作用

副作用としては低用量ピルに比べると少ない。不正出血や吐き気、眠気などが挙げられている。
これは自身が分泌しているホルモンと、ピルによるホルモンの供給で身体が一時的に混乱しているため。1~3ヵ月程度で体のホルモンバランスが調整されてくる。
副作用の詳しい記事は「あなたの身体を守る選択肢 低用量ピル 副作用と服用効果について」で解説している。

 

不正出血

この調整期間に不正出血は多い。ホルモンバランスが不安定になるため子宮内膜が一時的に剥がれやすくなっている。
赤色、茶色、わずかな出血によるピンク色、おりものに血が混じるような状態もあるようだが1~2週間ほどで収まる。
もし、もしも不正出血が長引いたり腹痛を伴うなどの場合は、他の病気が隠れている可能性があるので受診されたい。

 

血栓症

血栓症とは血液中に血の塊(血栓)ができ血管を詰まらせる病気で心筋梗塞や脳梗塞などがある。

発症の割合はピルを服用していない人で年間1万人に1〜5人。ピルを服用中の人は3〜9人となる。また公立大学法人名古屋市立大学および他機関による全国調査(エコチル調査)によると、妊婦さんの静脈血栓塞栓症の頻度は1万人に7.5 人との結果報告がある。

 

ピルは、服用していない人に比べると血栓症のリスクは高くなるものの、妊娠時と同程度となることことがわかる。これは逆に考えるとピルの服用が血栓症への警戒になり、妊娠してからも気をつけることで血栓症を抑える遠因になりえる。母子ともどもの安全に寄与する可能性もあるかもしれない。

出展元:公立大学法人名古屋市立大学「静脈血栓塞栓症の新たな危険因子(子宮内膜症および習慣流産の既往歴)

 

服用の効果

ピルを服用することで以下の効果がある。

  • 月経困難症の改善
  • 月経前症候群(PMS)の緩和
  • 子宮内膜の成長抑制
  • 月経痛の軽減
  • 子宮内膜症の悪化防止
  • 月経周期の安定化
  • ニキビや肌荒れの改善

 

子宮内膜が厚くならないメリット

ピルにより子宮内膜が厚くならないことは、痛み物質のプロスタグランジンの産生量が減り月経痛の軽減になる。また子宮内膜の厚みが薄い分、剝がれ落ちる量が減り経血量が少なくなる。

 

他に、子宮内膜が異常に分厚く増える病気「子宮内膜増殖症」から発展してがん化する子宮体がん。子宮内膜が厚くなるのを抑えることから子宮体がんの発症リスクの低減も期待できる。

 

そして、子宮の内側以外の場所に子宮内膜が発生する病気「子宮内膜症」の治療薬として有効でもある。発症年代は20代から30代が多いが10代も少なくはない。子宮内膜を厚くさせないピルは治療薬としても予防薬としても有効である。

 

女性ホルモンの安定化

1シート21錠もしくは28錠の薬を規則正しく服用することで月経周期が安定してくる。そして女性ホルモンがバランス良くなることで、PMSや月経困難症の身体的・精神的不調の軽減につながる。また黄体ホルモンには皮脂の増加を促す作用があり過剰な働きになるとニキビや肌荒れになるが、安定化されることにより女性にうれしい肌質改善につながる。

 

がんなどの病気のリスク軽減

避妊法が発達した現代女性は、昔に比べ妊娠出産の回数が減っている。排卵が毎月あるとこで卵巣の壁がダメージを受ける。ピルによる排卵の抑制は卵巣の負担を減らし卵巣がんのリスク軽減が期待できる。

 

まとめ

男の私からみてピルの服用は有効だと感じたが、副作用には辛い印象を受けた。出血があれば不安に思うし、学業の専念中に眠気に襲われたら勉強どころではないようにも思える。体質によりどのような不調が現れるのかも心配である。しかし他のどの記事にも1~3ヵ月ほどで体が慣れてくるとあるので、とりあえず服用してみるのも悪くはない。合わなければやめればいいだけである。

 

そして、ピルを服用する一番のメリットは、かかりつけ医を持つこと。このような機会でもなければ受診しないのではないか。なんとなく不調と思っていること、なんとなく不安に思っていることを相談し、納得することは治療と安心につながる。自分の体を労わることは、将来の我が子を守ることでもある。

あなたはあなた自身で自分の体を労わり守って行くのが「あなたの役目」である。オンライン診察と病院の受診を組み合わせて自分の健康を守っていただきたい。

 

関連記事として下記に性感染症について記述している。セックスは遠い存在ではない。愛し合う男女がいれば必然なことだ。ただ避妊の方法を知らないと予期せぬ妊娠と性感染症、果ては妊娠しづらい体になるなど不利益があるだけでなく、我が子へ感染させかねない。その記事にも目を通していただきたい。

 

当記事は日本産婦人科医会とオンライン診察のスマルナから引用している。スマルナの利用は18歳以上からとなっている。

また、思春期女子には「あなたの家族の健康を守る性教育【性病(性感染症)の症状と避妊】」の記事も確認願いたい。スマルナへは下記から登録できる。

 

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